すべての武器を楽器に、すべての暴力を踊りに。

そうなれば、世の中どんなに素敵だろう──

劇団AFRICAが生まれる少し前、 当時のアフリカは、長く続いた紛争のトンネルを抜け、 未来に向かって歩み出す大きな転換期を迎えていました。それでも、日本では「アフリカ」と聞くと、一瞬で人の顔が曇る…。貧困や混乱といった限られたイメージで語られることも少なくありませんでした。

そんな時代に、私たちはすでに西アフリカの伝統芸能に魅せられ、 その地を幾度となく訪れていました。 そうして気づいたのは、アフリカのリズムが持つ不思議なチカラでした。 どんなに貧しくて苦しくても、人々を癒し、奮い立たせる「何か」が、 暮らしの中で息づいていたのです。

いつか、この「何か」を自分たちの手でつくっていきたい──。そうした想いが次第に強くなり、私たちは日本で、その一歩を踏み出しました。そして2006年、劇団AFRICAは生まれました。

私たち劇団AFRICAは、西アフリカの伝統芸能を継承し、2006年に福岡で産声をあげました。
大地の鼓動を刻む「楽団(演奏)」と、生命の喜びを解き放つ「舞踏団(ダンス)」。 この二つを両輪に、私たちは、パフォーマンス集団として、今日まで走り続けてきました。

「なぜ “劇団” なんですか?」とよく聞かれます。演劇ではないのに、と。
それは、私たちのパフォーマンスが、セリフを使わず、リズムや身振り、 音楽や踊りで伝えるスタイルだからです。 言葉を超えたところで何かが伝わる。そんな場をつくりたかったのです。

“劇団”とはいえ、私たちのステージは、劇場だけではありません。 お祭りや学校、国際交流の場、乳幼児から人生の先輩方が集う場所まで。 人が集えば、そこが私たちの舞台です。 音楽や踊りを通して、人が集い、ひとつの場が立ち上がっていく。 それを含めたすべてが、私たちの表現であり、パフォーマンスだと考えています。

パフォーマンスの現場において、私たちが大切にしているのは、主にこの三つです。

・あなたと私をつなぐ、小さな体験
・その中で、ひらいていく多様な感性
・みんなでつくっていく、時間と空間

多くの現場で、太鼓が鳴ると空気が変わります。
震動が肌に触れ、リズムが身体を駆け巡り、何かがフツフツと湧いてくる。胸が高鳴り、手を叩いたり、体が揺れだしたり、ふっと隣の誰かと目が合って、笑ったり。
感じかたは、人それぞれです。けれど、それでいい。今ここで生まれた小さなつながりが、すべてだから。

現場が変われば、「響きかた」も変わります。
それでも、私たちが向き合うものは変わりません。 それは、今この場にいる「人」。目の前にいる「あなた」です。 肩書きや年齢を超えて、それぞれの響きが重なっていく。 それぞれの価値観が響き合う瞬間を、あなたと私のあいだに生み出していく。 それが、私たち劇団AFRICAの「真ん中」にあるものです。

音が鳴り、身体が揺れて、笑顔が生まれる。 そんな瞬間を、私たちはこれからもつくり続けていきます。

あなたが笑えば、私も笑う。

世界は、あなたと私の小さなつながりからはじまる。